この仕事をしていて本当に良かったと思うのが、東京都内でこういう物件と出会ったとき。
建物が建て替わるスピードが速い東京では、町並みの移り変わりも速いもの。そういう環境の中で、変わらぬ佇まいを保ちながら、昔ながらの町並み維持に寄与している建物は、敬意をもって取材するようにしています。
今回出会ったのもそんな物件。
瓦ぶき木造2階建ての戸建てです。門柱と一体となった塀から顔をだす松などの植木。その隙間から垣間見える屋根の瓦。ちょっとずつ興味をひかせる、奥ゆかしさのある日本家屋の佇まいに、愛おしさを覚えます。
まず玄関。門を潜って正面に玄関ではないのは、昭和の建物の作法なのでしょうか。鍵型のアプローチを歩くちょっとした時間は、心を整える役割を果たしていそうです。
心が整えられる心地のする仕掛けは、他にもたくさん。
和室や庭の存在はいうに及ばず、障子や磨りガラス、欄間窓や天窓、地窓、下地窓といった、自然の光を採り入れる仕掛けが多用されています。
もっとも心惹かれたのは、中2階の存在。
スキップフロアの6帖の和室は、廊下に面して磨りガラスの地窓があり、そこから足を垂らして、和室でゴロゴロ、日がな一日過ごしてみたい誘惑にかられました。
室内は部分的にリフォームを施しています。古い建物が好きといっても、住むということとなると特に気になるキッチンは、システムキッチンに交換したばかりで、ダイニングキッチンもフローリングに変え、テーブルでの生活も可能な仕様に。
程よいリフォームで、現代の生活に慣れていても、さほど気にせず暮らせそうです。
住んでいて気になるのは、やはり雨戸のことでしょう。1階ダイニング雨戸は電動シャッターに変えていますが、それ以外はアルミの雨戸。2階にいたっては竣工当時のものと思われる、木の鎧戸です。
雨戸の開け閉めは慣れていないとひと仕事。特に冬の寒い朝なんかは、重労働です。撮影のために開ける少しの時間でさえも、指を挟み、とげが刺さり、2回ほど痛い思いをしました。昔は子供の仕事だったそうですが、今の子供は絶対にやらないでしょう。
家賃とは、地域を利用する価値と空間を利用する価値の対価だと言いますが、この建物に関しては、ここで暮らすことによる経験や時間に対しての投資価値も含まれていそうな気がします。
いろいろ言葉を並べておりますが、一歩踏み入れた時から今の今まで、「住みたい!(家計が許せば)」の気持ちが離れません。
※住居専用。事務所利用は不可となります。
■シャッター付き駐車場2台
■物置
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